すの記

フリーランスライター・鈴木希望のブログです。

『発達ナビ』コラム、ゆるゆると再開しています。

こちらで初めて私のことをご存知になった方にしたら、タイトルを見ても何のこっちゃわからんって話かと存じますが……。

 

『発達ナビ』という情報サイトのオープン当初から、発達障害児の親兼発達障害当事者としてコラムを寄稿しておりました。しかし、「お子さんの発達が気になる親御さん向け」というコンセプトの中、段々何を書けば良いのかわからなくなってしまったのです。要はネタ切れですね(笑)。

 

そういったわけでしばらくお休みをしていたのですが、新年度からは成人当事者にもフォーカスしたサイト作りをしたいとの旨、編集長の鈴木悠平さんからお聞きしまして。

ならば書くこともありますよということで、5月からですかね、ゆるゆると再開しました。

詳しい経緯とご挨拶代わりのコラムは下記。

 

h-navi.jp

 

文体もノリも変えちゃって(またそれを悠平さんが活かしてくれてるんだな)、今まで読んでくださった方にしたらどうなんですかね。

まだはっきり見えてないのですが、周りの方々には好評なので良しとします。

 

とはいえ書いている人間は同じなので、基本姿勢は変わりません、こんな感じで。

↓↓↓

 

h-navi.jp

 

今日も16時に新しいコラムがアップされる予定です。

そんなわけで、今後もよしなにお願いいたします。

【スズキケ話】ひるめしのもんだい

私「お昼ごはん何がいい?」
息子「白いごはんで、味付いてるやつ」

私「……塩かけ飯?」

子「塩かけ飯じゃなくて、カレーピラフや醤油の炊き込みご飯とか」
私「それだと色が付くじゃん」
子「でも、白米だった事実は変わらないでしょ?」

何その「取り繕っても過去は変えられない」みたいなセリフ。

 

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そんな会話の後、昨日のお昼に豆ご飯を炊きました。

【レシピ】海南鶏飯

もうひとつの我が家の定番メニューが海南鶏飯です。

玉子焼きや野菜は付け合わせとしてその都度テキトーに作っています。
なので、海南鶏飯の本場・シンガポールのそれとは別だと思っていただけたら幸いです。


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≪材料≫4人分ぐらい

米……2合
長ねぎ……1/2本(青い部分も)
生姜……ひとかけ
鶏むね肉……1枚
塩、こしょう……各適量


[A]
 鶏ガラスープ……350ml
 塩……小さじ
 ※市販の鶏ガラスープの素を使う場合
水……350ml
鶏ガラスープの素……小さじ2
 酒……50ml
 

≪作り方≫

①米は洗って30分以上浸水させて、ザルに上げる。鶏肉はフォークなどで穴を開け、塩こしょうを振り、油をひかないフライパンで皮目から焼き色が付くまで焼く。長ねぎは小口切り、生姜はみじん切りにしておく。

②鍋に米、長ねぎと生姜、[A]、鶏肉を入れて炊く。※炊飯器でもOK

③炊き上がったら鶏肉を取り出して食べやすい大きさに切る。器にご飯と鶏肉を盛り付け、好みでスイートチリソース等をかけていただく。

【レシピ】魯肉飯

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ごはんのメニューに悩むとよく作る料理のひとつに魯肉飯があります。
InstagramFacebookにアップしたらレシピを知りたいという方がいらっしゃったので、こちらに記しておきますね。

 

≪材料≫4人分ぐらい

バラ肉(ブロック)……500gぐらい
長ねぎ……1本(青い部分も)
干しシイタケ……8枚
ゆで卵……4個(なくても良い)
エシャロットまたはみょうが……2~3個

塩・こしょう……各適量
生姜……ひとかけ


[A]
 酒(あれば紹興酒)……300ml
 はちみつ……大さじ3
 醤油……大さじ2
 オイスターソース……大さじ3
 五香粉……小さじ1

ご飯……4膳分
好みで香菜、茹でたチンゲン菜等


≪作り方≫

①豚肉は食べやすい大きさに切りにし、塩・こしょうをふる。干ししいたけは600mlの水(分量外)で戻し、1cm角に切る(戻し汁は捨てない)。エシャロットはみじん切りに、長ねぎは輪切りにする。

②フライパンを熱し、脂を溶かし出すようにして豚肉を炒め、焼き色が付いたら取り出す。その脂でエシャロットと長ねぎを炒め、しんなりしたらしいたけを加え炒める。さらに[A]を加え入れて炒める。

③別の鍋に豚肉と②を移し入れ、しいたけの戻し汁水600mlと細切りにしたを加え、蓋をして弱火で40分で煮る。さらにゆで卵を加え、10分煮る(水を足しながら長時間煮込むとさらに美味しくなる)。

④器にご飯を盛り、③をかけ、ゆで卵、好みでゆでたチンゲン菜や香菜を添える。


ちなみに普段は目分量です(笑)。

俳優・ベンガルとシャバシャバのカレー

過日、友人がベンガルについての話をしていたので、わたしはインド料理が食べたくなってしまいました。

ベンガルとは、インドの地名でもなければ猫の種でもありません。名バイプレイヤーとしておなじみ、俳優のベンガル氏です。


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10年前の話。

仕事の合間に昼食を摂ろうと、都内某所の商店街で時計を見たのが14時過ぎ。飲食店の多くはランチタイムを終え、中休みに入ったころ。

「タイミング逃した……」

コンビニでサンドイッチかなんかを買って腹にぶちこもうかとあきらめモードで歩いていたわたしの目に、「営業中」の看板を出したままのインド料理店が入ってきました。でもよく見るとランチタイムは14時で終了のはず。

「まだやってるのかな……」

入るかどうか迷っていたら、ガラス窓越しに店主らしき男性とばっちり目が合ってしまいました。

as soon asとはこういうときに使うんだという勢いと早さで彼はこちらにツカツカと歩いて来てドアを開け、素晴らしいファルセットボイスで
「いらっしゃいませぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
と叫ぶではありませんか。もう入らないわけにはいきません。


カウンターの向こうには、先ほどの男性と調理人の男性。ふたりともインドの出身。客席にはわたしひとり。

「休憩時間に入るんじゃなかったんですか?」
わたしの問いに店主は即答。
「大丈夫だよ~。食べたいお客さんがいたらそっち優先!」
親切なのか暇なのか―失礼なことを考えながらメニューを眺めたのち、わたしはサグパニール(ほうれん草とカッテージチーズのカレー)を注文しました。

「初めて来てそれを注文するあなたは凄いです!あなた、インド料理が大好きなんですね!?」

(いや、だってメニューに説明文書いてあるじゃん)
と思いつつ、
「あ、はい。以前インド料理屋さんで働いていたのもあって」
とわたしが返すと、いきなり鈍く鋭く光る店主の目。
「……それはどこ?」
正直に某有名店の名前を告げると、

「あそこ!?あそこは確かに有名!あそこは確かに人気がある!でもうちの方が上!絶対上!」

と熱弁が始まりました。

闘争心に近いような店主の熱に当てられながら、「こういう気持ちで研鑽を重ね、美味しい料理ができてくるのなー」なんて呑気にうなずいていたわたし。
「あの店よりうちが上という証拠、ちゃんとありますよ!後ろ!見てください!」
振り返ると、たくさんの写真を押しピンで刺した大きなコルクボードがありました。E版かL版、いわゆる標準サイズの写真で微笑んでいるのは、来店したと思わしき芸能人と店主の姿。
(一流に愛されてるって言いたいのかな……)
と頭をかすめた直後、視界に飛び込んだ強烈な違和感。
それは、1枚だけA4サイズに引き伸ばされ、パウチ加工された俳優・ベンガル氏の写真。
「うちはねえ、ベンガルさんが認めた店なんです!!!!!!!!!!」

「え、あの、ベンガル?さん?名前は確かにインドの地名ですけど、インド料理に詳しいんでしたっけ?ごめんなさい、わたし、よくわからなくて……」
「わたしもそれは知りません。でもベンガルさんは素晴らしい人なんです!わたし、ベンガルさんの大ファンなんです!」
「あ、ああ……ファンだった人に誉めてもらえると嬉しいですよね」
「はい、わたしは店に来てくれて、ベンガルさんの大ファンになりました!」
「???……あ!店にいらしてお人柄や出演されている映画やドラマを知って、大ファンになったってことですね!?」
「違います!」
「えっ……?」

店主とわたしの間に流れる沈黙。
そしてわたしの前には、いつの間にか運ばれていたカレーとナン。冷めきってシャバシャバのカレーと、冷めきってパッサパサのナン。

「あの……いただいてもいいですかね……?」
「はい……」

シャバシャバとパッサパサだったけど、カレーもナンも美味しくて、「出されたばっかりだったらもっと美味しかったんだろうな」なんて思っちゃって。
顔に出ていたのかどうかわからないけど、店主は何回もわたしに謝ってくれました。
「ごめんね、自慢話に夢中になって、自慢したいはずの料理を美味しく食べてもらえなかったね」
って。
それで「美味しいご飯を食べられなかったお詫び」としてマサラチャイを出してくれて、「わたしの自慢話を聞いてくれたあなたへの報酬」と、食事代を無料にしてくれたのでした。

 

以来、俳優のベンガル氏を見るたびに、シャバシャバだけど美味しいカレー、パッサパサだけど美味しいナン、そしてA4サイズに引き伸ばされてパウチ加工された写真を思い出すわたしなのです。

またこの街に足を運ぶことがあれば立ち寄ろうと思いつつ、1年が過ぎ、2年が過ぎ
、5年が過ぎ、10年が過ぎ。
検索をしたら店の名前は別のものになっており、店主も料理人も入れ替わっているようでした。

 

結局どうしてベンガルが好きだったのかな?やっぱり名前かな?もう確かめようがないんだな。
そんなことはさておいて、元気でいたらいいのにな。